プロフィール

世界遺産「中城城跡」は城の主が自害した古城。その歴史に迫る

城内はそれぞれ役割の異なる6つの区画「郭(かく)」で構成されており

北の郭(かく)
三の郭(かく)
二の郭(かく)
一の郭(かく)
西の郭(かく)
南の郭(かく)

と存在する。

さっそくお邪魔して見よう。

 

入場料金
大人 400円
中高生 300円
小学生 200円
団体 割引あり
身障者 無料(付き添え人1人も無料)
年間パスポート 1000円(1年有効)


入口となるスタートは何と「裏門」から。

 

地震で壊れないよう2つの弓形の石を組み合わせて屋根を作り、それが落ちたり跳ね上がらないよう大きな石で押さえつけているのが特徴。

1853年に中城城を訪れたアメリカの軍人・ペリー探検隊もその構造を見て絶賛。

 

何でわざわざ階段を作り、高い所に門があるの?

敵を侵入しにくくするため。

 

例えば敵が丸太をもって大勢で突撃すると通常門は破壊されてしまいす。

しかし階段を設け足場を悪くするとドアはなかなか突き破れません。

 

もたもたしていと上から弓矢、石で攻撃の的。

そういう防御の為の工夫です。

 

北の郭(かく)

門を抜けると石畳道(いしだたみどう)の広場に階段が見える。

石畳道(いしだたみどう)は琉球石灰岩が使われているので表面は凸凹。

 

権力の象徴としてお城(グスク)に使われる事が多かった。

本家、首里城はもっと広く贅沢に使われています。

 

大井戸(ウフガー)

階段の向かいは「大井戸(ウフガー)」。

ここから10m先下に水脈が発見されました。

 

城の主、護佐丸(ごさまる)はこの場所を新たに増築し大井戸(ウフガー)を設置。

その井戸を守るために高い城壁(北の郭)を築いたのだ。

 

石畳道の下には排水口が設けられ現在でもその機能は生きています。

なぜこの空間は緑が多いのか納得いただけるだろう。

 

三の郭(かく)へと続く階段

足のつま先に重心をかけ前のめりでちょこちょこ上がる感じなので非常に歩きにくい。

かかとがつくのはギリギリと思った方が良いでしょう。

 

なぜ歩きにくくするの?

これも敵を侵入しにくくするため。

 

かかとに重心がかけずらいので、踏ん張りがきかない。

これだと身につけた重たい防具・武器を持って攻め入るにはかなりしんどい事でしょう。

 

段差もそこそこあります。

 

三の郭(かく)


階段を登りきると「三の郭(かく)」。

この空間はお城を守るための兵が待機する建物があったと考えられる。

 

名建築家でもある「護佐丸(ごさまる)」が増築しました。

この部屋は1、2の郭(かく)へと続く門はありません。他の部屋へは攻め入る事ができない設計です。

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二の郭(かく)


この空間は城主の家族やここで働く女性の住む場所だったと考えられる。

 

霊石・御嶽(うたき)もあり、ここに住む人達の守り神として崇められていました。

細長い茶色の石碑は「日露戦争の戦没者を祀った慰霊碑」。

 

城壁の上は歩ける

このように幅があるので城壁の上を歩いていけます。

半周できるようになっているので、先程紹介した「三の郭」も上から見渡せるよ。

 

※柵はないので気をつけて!

 

一の郭(かく)へと続く門

あの門を突破すれば城の中枢、司令塔だ。

幅を狭くする事で大勢の敵が一度に攻め入らないよう工夫されています。

 

さらに裏門と同様、ここもドアの真下に階段を設け大勢の敵が一気に攻め込めないよう工夫している。

ドアの幅は大人3人が並ぶほど狭い。

 

一の郭(かく)

さあ やってきた。城内で最も広く最も標高の高い(司令塔)。

城主「護佐丸(ごさまる)」や家臣(現代でいう官僚)たちが政務を行っていた重要な部屋です。

 

発掘調査により2F建ての「正殿」があったと考えられるよ。

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城壁の上も歩けるようになっているので、敵軍が攻めてくるとここからも弓や投石を行ったものだと想像がつきますね。

1段さがった広場(うなー)には、行事や戦(いくさ)の前後に人が集まりました。

 

又、歴代の城主たちは観月会(現代でいう月見会)をする習わしがあったので、毎年家族と家臣を集めて「観月の広場」でお酒を交わしていました。

 

一の郭(かく)からの景色

城内で最も眺めのよい場所。

勝連城の監視をしていた「護佐丸(ごさまる)」は、ここから勝連城の主「阿麻和利(あまわり)」の動きを日々チェックしていました。

 

視界に入る青い海は「中城湾」。

その右手に見えるのは沖縄本島と繋がる「知念半島」。

 

琉球の素地を作ったとされる神・アマミキヨが降り立ったとされる「久高島」さらには沖縄の東海岸、約半分の景色も見渡せます。

緑が多く田舎の風景がどこか懐かしい。

 

人、車があんなにも小さな点に見える風景は圧巻。

 

南の郭(かく)へと続く門

ここもアーチ。

大勢の敵が攻め入れないよう狭くなっている。

 

南の郭(かく)

ここは神様にお祈りを捧げる格式の高い拝所→御嶽(うたき))です。

大きな石や小石を積み上げた風景が印象的。緑もいっぱい。

 

神様を迎え入れるという意味で

①「久高遥拝所(くだかようはいじょ)」
②「首里城遥拝所(しゅりじょうようはいじょ)」
③「雨乞いの御嶽(うたき)」

と3つの霊石、拝所を設けています。

 

MEMO

琉球時代の信仰・考え方

 

神様は「その空間・物体に宿る」と考えられていたので、霊石を神様に見立てお祈りを捧げていました。神聖なその空間を御嶽(うたき)といいます。沖縄本島南部にある世界文化遺産 斎場御嶽も神聖な御嶽(うたき)として有名。

 

世界遺産「斎場御嶽」は格式のある拝所。緑のパワーを取り込め!

 

正門玄関

ここが正式の正門玄関・入り口になります。

この門だけは不思議とアーチではありませんね。

 

なぜかというと・・

正門の上にやぐら(門番が見張る所)があったから。首里城と同じ。

 

MEMO

 

1853年 黒船で琉球にやってきたペリー一行が奥地探検隊を編成し、中城城の絵をいくつか残していますが、その中には”やぐら”がしっかりと記されています。

 

「要塞の資材は石灰岩であり、その石造建築は賞賛すべき構造のものであった」と『日本遠征記』に残している。

 

 

緑の広場

正門玄関を抜けると視界が開け緑の広場!

この空間だけは城壁に囲まれていないので開放感いっぱい。

 

東に顔を向ければ素晴らしい海景色だ。

明るいエメラルドブルーが沖縄らしくて和みますよ。

 

眼下の見晴らしも抜群なので、見張りにも適していた事でしょう。

太平洋から東シナ海へ抜ける海風も最高に気持ちいい。

 

芝生のお手入れも丁寧。

山側には廃墟になった「高原ホテル跡」があるのでちょっと不気味・・

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鍛冶屋跡(カンジャーガマ)→鍛冶屋跡

この岩場付近で武具を造っていたのではないか?と推測されていますが、現在でもはっきりとは分かりません。

 

兵馬の軍事訓練広場

今はアスファルトの道が通っていますがここは当時、戦(いくさ)に備えて兵馬の軍事訓練が行われていました。

 

※帰り道でもあるので南向けに行けば「入り口」に戻ります。

 

石積み

県内にある(グスク・城)の石積み方は大きく分けて3つあります。

①「野面積み」
②「切石積み」
③「布積み、相方積み」

ここ中城城跡ではこの3種類の石積みを一度に見る事ができるよ。

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ツワブキも見所

築城当時からある「ツワブキ」。

冬の時期に満開を迎えるツワブキは黄色い花を咲かせ訪れる人の心を癒やしてくれる。

 

平成24年には「美ら島おきなわ・花と緑の名所100選」にツワブキの名所として選ばれました。

 

1~2月には寒緋(カンヒ)桜などの植物が観賞できます。

 

写真集







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歴史

海外貿易を展開し経済・軍事とともに周りの地域にも着々と勢力を伸ばす勝連城の「阿麻和利(あまわり)」。

 

琉球王「尚泰久(しょうたいきゅうおう)」は脅威をいだき、牽制するために重臣「護佐丸(ごさまる)」を中城におき見張りをつける。

 

琉球統一を目論む「阿麻和利(あまわり)」は、こちらを監視する中城城・護佐丸(ごさまる)が目障りで仕方なかった。

しかし

名武将とも知られる「護佐丸(ごさまる)」と真正面から挑んでもまず勝てない。

 

・・そこで考えた。

「護佐丸(ごさまる)が首里城(琉球王の住むお城)を攻める為に兵を集め軍事訓練をしている。今すぐ責めないと首里城が危ない!」と嘘を王に進言します。

 

一方、そんな事とは知らず護佐丸(ごさまる)は阿麻和利(あまわり)との戦に備え普段通り兵の訓練をしていました。

 

王は偵察隊を送り阿麻和利(あまわり)が言った事が本当だとわかると(勘違い)、護佐丸(ごさまる)を打つために首里から軍隊を送る。

阿麻和利(あまわり)を総大将にし中城城を取り囲みます。

 

阿麻和利(あまわり)の策略にはめられた事を知った護佐丸(ごさまる)は王には逆らいたくなかったので、身の潔白を晴らすことなく自害しました。

 

そして家臣たちも後をおった・・

ここに中城城の歴史に幕が閉じたのでした。

 

中城城に登場する人物

 

護佐丸(ごさまる)

 

山田城で生まれ按司(あじ)の子として山田城主となる。「尚巴志(しょうはし)のちに琉球を統一する人物」と行動を共にし、北山を攻め滅ぼし三山統一を成し遂げる。

 

「今帰仁城」→「座喜味城」最後はここ「中城城」と移り住み生涯を終える。

 

 

阿麻和利(あまわり)

 

勝連を大いに発展させた勝連城主。経済・軍事力を背景に琉球統一を目論む。

 

中城城は「誰」が築いたの?

「先中城按司(さちなかぐすくあじ)」。


数世代に渡り

「西の郭(かく)」
「南の郭(かく)」
「一の郭(かく)」
「二の郭(かく)」

を築き上げた。

 

1440年、読谷の座喜味城から移ってきた護佐丸(ごさまる)によって「北の郭(かく)」、「三の郭(かく)」が増築され、現在見られる「六連郭(かく)」のグスクが完成したと伝えられている。

 

按司(あじ)とは?

各地で領域支配を行っていた豪族・首長。

社会的身分の最高位をあらわす位階として、おもに王族から任命され行政区域の領有を保障された。

 

なぜ城壁は「なめらか」なの?

龍が空を飛ぶようイメージをしたもの。

中国の影響が色濃いですね。敵の陣形を乱す役割も果たしました。

 

感想

標高160mの丘に築城された中城城跡。

南は15m以上の切り立った断崖、北はきつい傾斜面となっているので守りやすく攻めにくいという地の利を活かしています。

 

物理的に攻め入ろう!なんて不可能に近い。

時期によっては霧(きり)も発生するので視界も悪くなります。

 

14世紀の中頃から築城されたといわれるが、ここの城主・護佐丸(ごさまる)が城の防御をより強固にするため、いくつか増築して現在の形に完成させました。

 

目に入る風景、歩く石畳1つにしても歴史が刻まれているので、城跡にあまり興味のない人でも何かを感じ取ることができるはず。

展望台から望む圧巻の風景は一番の見所。

 

MEMO

 

中城城跡の向き全ての門は「中国」に向けられています。

 

これは忠誠を誓う中国に敬意を表すという意味が込められている。この設計は本家・首里城も全く一緒。気づいた人はいるかな?

 

首里城「世界遺産」は赤い建物が目印!さあ歴史スポットへアクセスだ

 

口コミでは・・

「歴史に浸ってみるのも悪くない」、「意外と観光客が少ないので、ゆっくり観光できる」、「雄大な景色に圧倒された」と評判。

 

特徴

  • 平成12年(2000年)には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、世界文化遺産・ユネスコに登録され、「日本の100名城」にも選定されました。

イベント

  • 8月
    「グスクの響き 夏休みイベント・エイサー演舞」
  • 11月
    「プロジェクションマッピング」
  • 12月
    「ライトアップ(約1週間)」
ワンポイントアドバイス
  1. 中城城跡の読み方→(なかぐすくじょうあと)。
  2. Wi-Fi(ワイファイ)未対応。
  3. バリアフリー未対応
    階段があるので車イス、ベビーカーの人は行けません。
  4. スタート地点からゴール地点まで結構歩きます。日陰は無いので熱中症にならないよう帽子・日傘をするなど対策をして下さい。冬は寒いので防寒対策を。
  5. 1月1日元旦は06:00~17:30まで営業しているので「初日の出」が見られます。
  6. NHK・BSプレミアムドラマ「テンペスト」の撮影現場にも利用されました。沖縄出身の仲間由紀恵さん、ガクトさんが出演しています。
  7. ガイド
    「グスクの会」による城跡内の無料案内もあります。
  8. 天候
    シーズンは突発的に雨が降って、サッと止む事が多いです。それが局地的に発生します。天気予報はあまりあてにせず、怪しい雲を見かけたら事前に対策を取りましょう。
  9. お腹空いた・・
    園内に食事処はありません。
名称 中城城跡
(なかぐすくじょうあと)
住所 沖縄県中頭郡北中城村大城503
電話番号 098-935-5719
営業時間 08:30~18:00(5~9月)
08:30~17:00(10~4月)
定休日 年中無休
所要時間 約1時間
駐車料金 無料(50台)
入場料金 有料
アクセス 那覇空港(なはくうこう)

58号線

16号線

81号線

35号線

146号線

中城城跡(約1時間20分)
中城城跡の評価
景観度
(5.0)
満足度
(3.0)
人気度
(3.0)
総合
(4.0)


周辺には・・
「中城モールビーチ」BBQもできる超ロングビーチ!